時事ネタコラム

労働者派遣法改正による教育訓練の義務化とは?

意識の変化

労働者派遣法改正が実施され、特に派遣先の同一の事業所に対し派遣できる期間(派遣可能期間)は原則3年となったことは、働き方に大きな影響を与えています。
今回は、一般社団法人日本人材派遣協会(JASSA)(http://www.jassa.jp/)が実施した「派遣社員WEBアンケート調査」(注1)をもとに「派遣社員の意識の変化」について考えます。

まず、継続して派遣で働きたい人、将来的には正社員を目指している人の平均値をデータで見てみましょう。

注1)派遣で働いている人、過去に派遣で働いていたことがある人を対象にした調査

改正前(派遣で働いている理由[マルチアンサー] N=3,898)①

出典:JASSA 2014年度(平成26年度)派遣社員WEBアンケート調査(プレスリリース)より抜粋
http://www.jassa.jp/employee/enquete/150127web-enquete_press.pdf

改正後(派遣で働いている理由[マルチアンサー] N=3,971)②

出典:JASSA 2016年度(平成28年度)派遣社員WEBアンケート調査(プレスリリース)より抜粋
http://www.jassa.jp/employee/enquete/170125web-enquete_press.pdf

改正前に実施(注2)された2014年度(以下、改正前)の調査と改正後に実施(注3)された2016年度(以下、改正後)の調査からわかった「働いている理由」の変化は次のようになっています。

注2)2014年9月1日〜2014年11月21日実施
注3)2016年9月15日〜2016年11月14日実施

改正前
1位:「働く時期や期間を自分で選べるため」(42.5%)
2位:「勤務地を選べるため」(36.6%)
3位:「すぐに仕事に就けるため」(35.9%)
改正後
1位:「すぐに仕事に就けるため」(42.5%)
2位:「働く時期や期間を自分で選べるため」(41.2%)
3位:「勤務地を選べるため」(41.2%)

次に、3年以内も4年目以降も(注4)派遣で働きたいと思っている人たちに限定して「働いている理由」を見てみましょう。

注4)2014年度は『当面希望する働き方』、『数年後も希望する働き方』の調査結果を採用

改正前
1位:「働く時期や期間を自分で選べるため」(53.8%)
2位:「勤務地を選べるため」(45.7%)
3位:「残業のある職場やない職場を選べるため」(30.3%)
改正後
1位:「働く時期や期間を自分で選べるため」(52.0%)
2位:「勤務地を選べるため」(48.0%)
3位:「働く時間や時間帯を自分で選べるため」(43.1%)

自分で選べる

改正前も改正後も基本的には、仕事の内容や働くスタイル、勤務地を自分で選べることが派遣で働くメリットだと考えられているようです。
ただ、継続して派遣で働きたい人、将来的には正社員を目指している人をトータルすると、改正後では、改正前には3位だった「仕事にすぐ就けるため」が1位になっており、転職や就職活動の間を埋めるために派遣を選んでいる人が多くなっていると考えられます。

働き方の多様化

今度は、3年以内にどのような働き方を希望しているかを比較してみました(注5)。

注5)2014年度は『当面の働き方』の調査結果を採用

改正前(当面希望する働き方[シングルアンサー] N=3,898)③

出典:JASSA 2014年度(平成26年度)派遣社員WEBアンケート調査(プレスリリース)より抜粋
http://www.jassa.jp/employee/enquete/150127web-enquete_press.pdf

改正後(3年以内に希望する働き方[シングルアンサー] N=3,971)④

出典:JASSA 2016年度(平成28年度)派遣社員WEBアンケート調査(プレスリリース)より抜粋
http://www.jassa.jp/employee/enquete/170125web-enquete_press.pdf

改正前
1位:「派遣社員」(67.0%)
2位:「正社員」(18.8%)
3位:「無期雇用派遣」(2.6%)
改正後
1位:「派遣社員」(37.2%)
2位:「正社員」(28.7%)
3位:「限定正社員」(9.3%)
4位:「無期雇用派遣」(3.5%)

将来を考えた働き方に変化?

改正前と比較して、改正後は派遣社員を希望する人の割合が大幅に減少(67.0%→37.2%)し、正社員を希望する人の割合(18.8%→28.7%)が増加しています。法改正により、すべての業務に対して、派遣期間に3年の制限(注6)が設けられたことが影響しているのかもしれません。

注6)
【1】派遣先事業所単位の期間制限 派遣先が事業所単位で派遣労働者を受け入れられる期間は原則3年。3年の上限に達した時には、派遣元が、派遣先への直接雇用の依頼、あるいは新しい就業機会(派遣先)の提供など、雇用安定措置を講じなければならないとされた。
【2】派遣労働者個人単位の期間制限 同一の派遣労働者を、派遣先の事業所における同一の組織単位(課やグループ)に対し派遣できる期間は、3年が限度。3年を超えて派遣社員として同じ仕事を希望するなら、別の派遣先で働くか、同じ派遣先を希望するなら組織を変えなければならないとされた。

限定正社員という働き方

「限定正社員」という働き方が新たに出てきました。改正後、約10%の人たちが希望していますが、まだ制度が導入されて間もないため、今後増加していく可能性があります。

※限定正社員とは?

限定正社員は、転勤する必要がない勤務地限定正社員、職種転換がない職種限定社員など、限定された場所や職種での雇用形態です。給与体系は正社員と差別化する企業が多い傾向がありますが、正社員と同等の位置づけで、社会保険への加入、原則的に無期雇用となっています

次に、4年目以降に希望する働き方の変化を見てみましょう(注7)。

注7)2014年度は『数年後の働き方』の調査結果を採用

改正前(数年後に希望する働き方[シングルアンサー] N=3,898)⑤

出典:JASSA 2014年度(平成26年度)派遣社員WEBアンケート調査(プレスリリース)より抜粋
http://www.jassa.jp/employee/enquete/150127web-enquete_press.pdf

改正後(4年目以降に希望する働き方[シングルアンサー] N=3,971)⑥

出典:JASSA 2016年度(平成28年度)派遣社員WEBアンケート調査(プレスリリース)より抜粋
http://www.jassa.jp/employee/enquete/170125web-enquete_press.pdf

改正前
1位:「正社員」(44.7%)
2位:「派遣社員」(14.9%)
3位:「無期雇用派遣」(4.1%)
改正後
1位:「正社員」(37.2%)
2位:「派遣社員」(12.9%)
3位:「限定正社員」(9.2%)
4位:「無期雇用派遣」(4.2%)

希望する働き方が多様に

4年目以降になると、正社員で働きたいと考えている人は圧倒的に多くなっています。ただし、改正前と比較して、改正後は正社員を希望する人の割合は減少(44.7%→37.2%)しています。
一方、派遣社員の割合も減少(14.9%→12.9%)しています。その減少した人たちの何%かが、限定正社員に流れているのかもしれません。Point2で触れた「その他」は、ほぼ変化がありません(36.3%→36.5%)。
正社員にこだわらない人たちが増えているようです。

働き方の意識の多様化にどう対応する?

派遣社員の意識は多様化しています。この流れの中で、派遣元、派遣先企業はどのような対応が必要になってくるのでしょうか? 派遣社員として働く人は3年以内に、派遣先や部署を変更するか、派遣先への直接雇用の道を探るか、それ以外の選択をすることになります。つまり、より能動的なキャリアプランの構築が必要になってきますので、派遣元企業は、いかに雇用安定措置を充実させるかがポイントになりそうです。これまで同様、派遣社員との緻密な信頼関係の構築に加えて、教育訓練の義務化(関連:【Vol.2】労働者派遣法改正による教育訓練の義務化とは?)によるキャリアップ制度の周知や「派遣」という働き方のイメージ向上などを積極的に行っていくことではないでしょうか。

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